現代医学での脱毛症の治療法

現代医学の治療法(外用薬)

現代医学での脱毛症の治療法は、対処療法です。

これは、脱毛症の原因が特定されていない為です。

当然、病院に行けば何もやらない訳には行かず、現代医学は現代医学の視点から治療法が模索されています。

 

 

外用治療法

・外用ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)

デルモベート軟膏などが処方されます。外用に関しては、正しく一定期間の使用をする事で、改善例も報告されています。『改善が全く見られない』『肌トラブル』『長期使用』などは控え、医師が親身になって聞いてくれて、ステロイドの安全な処方に熟知していれば、大きな危険はないと思います。業務的に通院を繰り返しているだけの場合は、一度考え直された方がでしょう。

 

・塩化カルプロニウム

人は交感神経が優位の時は、血管が収縮し、副交感神経が優位の時は、血管が拡張します。

塩化カルプロニウムは副交感神経を刺激する作用があり、血管を拡張する作用がある為、血流を良くする目的で使用されます。

副作用として熱感や刺激感、発汗、悪寒、かゆみなどがあります。また、ミノキシジルとの併用による相乗効果は報告例がありません。辻の考察では、副交感神経を刺激する塩化カルプロニウムに、交感神経を刺激するミノキシジル。外用ではありますが、自己免疫疾患である脱毛症の症状に、これらの薬を併用する事は控えた方が良いと考えています。

 

・ミノキシジル

ミノキシジルには、降圧剤の働きを血管を拡張する作用と毛母細胞の死滅(アポトーシス)を抑制する作用が期待されています。、円形脱毛症の類は、毛母細胞は死滅していませんし、副作用もある為、あまりおすすめしておりません。

塩化カルプロニウムと同様、血管を拡張しても、そもそも収縮した原因まで解決していない事も、おすすめできない理由の一つです。

冷凍療法

・液体窒素

自己免疫疾患によって誤作動を起こした免疫細胞の働きを抑えて、毛髪の再生を図る治療法です。長期による皮膚が薄くなるなどの副作用があるとされていますが、推奨度も低く、副作用は少ないとされています。

局所免疫療法

脱毛部位では、毛根周囲にT細胞と呼ばれる免疫細胞が集まっていると仮説が考えられており、そのT細胞が毛根にある細胞(毛母細胞)を攻撃する事で、その結果脱毛しているのではないかと考えられています。
局所免疫療法では、その皮膚の表面に、敢えてかぶれを起こすことで新しい攻撃対象を与え、これらのT細胞の攻撃対象をすり替える事で、毛根の破壊を食い止めるという治療法です。アトピーは控えた方が良い方法で、自費治療となります。

ステロイド注射

単発型の脱毛症に向いているとされています。内服や点滴と異なり、副作用は少なめと言われていますが、ステロイドをきちんと熟知している医師と相談する事が望ましいです。

ステロイド内服

抗炎症効果のあるステロイドを内服する治療法です。重傷者に提案されることが多いです。この方法を一定期間取り入れて良いタイプと控えた方が良いタイプがいます。(そこは、慎重に判断しながらアドバイスしています)精神的に弱い人は気分の落ち込みが出る為、控えた方が良いと思います。

長期の副作用として、顔のむくみや、骨密度の低下、精神不安定が起こる可能性があります。

点滴静注ステロイドパルス療法

非常に副作用があり、入院が必要です。この方法をされたお客様を何人か診ていますが、副作用が強く、脱毛症状が改善された報告例は少ないのでおすすめいたしません。医師からは、脱毛期(まだ頭皮の割合が少ない場合)に、脱毛症状を抑える目的で提案される事が多いそうです。